その境地に至るまで


そういえば、むかーしに「考えるな、感じるんだ(Don't think.FEEL! It is like a finger pointing away to the moon.)」のブルース・リーの台詞について後輩と意見の相違があったことを(何故か)思い出しました。燃えよドラゴンの話なんですけどね。この台詞自体は多分カッコイイというか、何だかそれだけのニュアンスで人に伝わり易いような気がします。つまるところ本来の意味合いはあんま知らないで使ってるんじゃないかなぁと。
手前はこれには意味がきちんとあって、考えられないから感じるんだとかいったような否定的な意味合いではないと思っています。劇中では子供にカンフーを教えてるときに訓示みたいに使っていましたしね。あ、あと勿論第六感的な話でもないですよ、もちろん*1


さて、武術とかに限らず運動(競技)するような人間にとってはことのほか簡単な原理なんですが「練習すればするほど上手くいく」というのがあります。逆に「練習しなければ(説明だけでは)出来ない」競技なんかもあるくらいです*2。なんでかっていうと人間はイメージ通りに身体を動かすのに経験がいるからです。動作を覚える効率の良し悪しは個人差があると思いますけどね。


劇中のカンフーだったらどうでしょう?もちろん格闘技である以上は常に勝つための思考はしているはずです。でも“考え終わるまで”相手は待ってくれるんでしょうか?それはちょっと無理ですよね。それに考えた通りに身体が動く保障は?これも無理です。

これを踏まえてこのセリフを考えると「頭で考えてやっても上手くいかないから効率よく身体にやらせろ」とかの意味になりますよね。あと考えるっていうことは自分の内側に集中するっていうことでもあります。集中するのはいいんですが、思考のレベルまでいったらとてもじゃないけど“今やってること”は疎かになる筈ですね。特にブルース師父が教えていたのがカンフーだったというのが重要です。カンフーみたいなことをやってる最中に何やら考え事ができるっていうのはちょっと異常です。ある程度の戦略、指針はあるにせよそれにしたって相手と殴り合いしてる最中には考えてないでしょう。


理論を捨てることは出来ないけれど、それを限りなく遠くへ置いておく
手前はコレが「Don't think. FEEL」の意味だと思ってます。いつかはこんな境地に達してみたいものです。
なおここまで書いておいてアレですが、これはあくまで個人的な意見に過ぎません。師父がどういう意図でこの台詞を言ったのかは全然知りませんので、あんまり信用しないで下さい。ここの雑記とか書いてるときは手前は例外なく酔ってることも付け加えておきます。

*1:悪い例 A「絶対領域って何?」B「考えるな、感じるんだ!」

*2:棒高跳びとか難しいですよ